内視鏡認定医ビデオを攻略するための3つのポイント ~主体性と安全性を見せるコツ~

3 min

「内視鏡認定医ビデオって、どうやって評価されるの?」
「いい感じのビデオ撮れたけど、なんだか点数が伸びない・・・」

こんな疑問を抱える方、意外と多いのではないでしょうか。

今回は、内視鏡認定医のビデオ作成を攻略するための根本の根本のポイントを解説します。

「なんとなく操作を撮影するだけ」で終わらせるのはもったいない!正しい見せ方とアピール方法を押さえれば、採点基準に沿った高評価が狙えます。

この記事を読めば、安全性と主体性を最大限アピールし、採点者の心を掴む動画作りの基本が身に付くはずです。

これから提出する人はもちろん、指導予定の方も大きく関係してきます。見逃しなく!

1. 内視鏡認定医ビデオの考え方 ~OSCEと同じ「見せる試験」~

内視鏡認定医ビデオは、医学生が受けるOSCE(客観的臨床能力試験)やBLS(一次救命処置)と似た形式です。ただ技術を披露するのではなく、安全性と主体性をいかに「見せる」かが重要なポイント

例えば、OSCEの救命では「周囲の安全を確認し、心肺蘇生を開始します!」と声を出しますよね。

私は、ど緊張していて噛んでしまい、演者に笑われるという恥ずかしい思い出となっています笑

実際の現場で言いますか?コードブルーで走って到着したのちに宣言している人いますか?

これはただ、安全確保をゆうせんしてますよ〜というアピールにすぎません。

これと同じことが、内視鏡手術認定医ではビデオ内で求められます。

  • 安全性を示す: 例えば、「尿管の位置を確認して進めています」と鉗子で尿管をさし示す。
  • 主体性を示す 「助手に展開を指示」して、自分が手術の主導権を握っていることを示す。

それではもうアピールの仕方を少し詳しく見ていきましょう。

2. 安全性をアピールするための具体策

安全性は、採点基準で最も重視される要素の一つ。

尿管の位置も確認せず、出血は放置し、カメラは汚れている状態での手術なんて怖くて見れないですよね。具体的には、以下の点に気をつけましょう。

視野の確保

    • カメラは常に綺麗に。曇りや汚れがないか頻繁に確認。
    • 手術中、視野が狭くなったらすぐに修正。
    • 処理したい組織が展開により見えているか確認。

    他臓器損傷を防ぐ工夫

      • 優しい鉗子(例: 腸鉗子)を選び、組織を傷つけない操作を心がける。
      • 剥離範囲を必要最低限に抑える。広げすぎるとリスクが増えるので注意。

      出血の管理

        • 小さな子宮の擦過傷であれば焼いて血が垂れないようにする。
        • 血管出血が起きたら焦らず対応。「止血のため尿管位置を確認して進めます」と助手に声を出し、冷静さと慎重さをアピール。
        • 吸引やガーゼで血を除去しなながらまずは尿管走行をカメラで映す。安全なマージンがあれば止血する
        • 止血作業が終われば数秒は確認のためにカメラを動かさない。

        3. 主体性を強調するための工夫

        主体性もかなり言われています。前立ちが展開をほとんど行い、”ここ掘れわんわん状態”ではダメだよねというものです。

        認定医というだけあって、例えば新しい赴任先でも腹腔鏡を安全にできるように自分で考え、自分で展開し、自分で処理できる力が必要だということですね。

        主体性を示すには、器具で「自分が操作を指示している」ことを見せるのがポイントです。

        • 助手の待機時間をあえて作る
          助手から動くことを禁止します。自分が展開した組織を助手に保持させ、「次はこの方向に引っ張ってください」と具体的な指示を出す。ここは手術前に話し合っておきましょう。
        • 積極的な計画立案
          操作を始める前に「この範囲を剥離します」と声を出し、助手に対して計画を明確に示す。
          こうすることで自分が主導権を握ることができる。

        助手の先生が上級医の場合はなかなかコントロールが難しいこともあると思います。この時は、話し合いでこう言ってください。

        「認定医って主体性が結構の配点に入ったって聞きましたけどどうでしたっけ?」
        「主体性をビデオで見せるにはどうすればいいんでしょうか?」

        基本はアドバイスシーキング、つまりアドバイスを求める体でいいように誘導してみてください。

        ビデオ外の手術室でも主体性を見せることで、ビデオにそれが移り、採点者に「この医師は手術全体をしっかり把握している」という印象を与えられますよ。

        まとめ

        内視鏡認定医ビデオで高評価を得るには、安全性と主体性をいかに見せるかが鍵です。そのためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

        1. 安全性を強調する操作を意識
        2. 主体性を示す計画と指示を実践
        3. 細かな行動まで声に出して助手と意思疎通を行っておく

        ぜひ、今回の記事を参考にビデオをブラッシュアップしてみてください!次からは「選択すべきアプローチ」「各工程の注意点」をテーマに解説しますのでお楽しみに。

        この記事を通じて、皆さんが内視鏡認定医への道をさらにスムーズに進めることを願っています。更新情報はX(Twitter)でお知らせしますので、フォローをよろしくお願いします!

        ごっそ

        ごっそ

        百名以上からベスト指導医に選出された8年目若手産婦人科医。研修医時代から腹腔鏡練習や動画メインでの復習を欠かさず、たくさんの失敗を乗り越え現在ダグラス窩閉鎖症例やキロ越えのTLH(RASH)を執刀中。日本産科婦人科学会の若手医員選出。教育を充実させる目的で情報発信を開始しています。

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